楽譜の読み方(楽典)
はじめに
音楽は言葉(おしゃべり)と同じように音声を使って聴き手に届けます。その内容を記録したり他の人に伝えたいときにはノートや手紙と同じように楽譜を使えば大変便利です。そして、五線の楽譜の記し方は世界共通ですから、楽譜の読み方(楽典)さえ覚えてしまえば、世界の音楽を知ることも自分の音楽を世界に知ってもらうことも出来てしまいます。とても素晴らしいことだと思いませんか。
「でも楽譜の読み方は難しくてよく分からない・・・」そんな方もご安心ください。楽譜の基本ルールを覚えたらちゃんと読めるようになります。ですので、皆さんもこのコラムで学べばきっと楽譜が読めるようになります。是非チャレンジしてみてください。
第1章 基本ルール(楽譜のしくみ)
楽譜には膨大な情報が記されていますので、いっぺんに覚えるのはとても大変です。なので、先ずは基本ルールを覚えて最低限必要な情報を読み取れるようにしましょう。
基本ルールさえわかれば、細かいニュアンスなどは別として、とりあえずどんな音楽なのかということを楽譜を使って理解したり伝えたりすることができるようになります。
1、五線譜
1)五線
五本の線で「音の高さ」を表すのが「五線」です。五本の線とその線の間にはそれぞれ名前があります。線も間も下から第1、第2・・・と数えます。

2)加線
五線の範囲では表せないくらい高い音や低い音は、五線の上や下に更に線を加える「加線」を使って表します。
加線も五線と同じように線と線の間に名前があります。数え方は五線と異なり、五線に近い方から上第1、上第2・・・や下第1、下第2・・・と数えます。
3)オクターブ記号
加線を沢山使うと読みにくくなるので、加線の代わりにオクターブ記号を使う場合があります。
1オクターブ高いことを表す記号を「オッターヴァ・アルタ」、1オクターブ低いことを表す記号を「オッターヴァ・バッサ」と呼びます。
【1オクターブ高く】

次のように省略して記す場合もあります。

【1オクターブ低く】

次のように省略して記す場合もあります。

4)音部記号(おんぶきごう)
五線の上で基準となる音の位置を定めるための記号を音部記号と呼びます。音部記号は次の3種類です。
① ト音記号:渦巻の中心がト音(ソの音)の位置であることを表す。

② へ音記号:点々で挟まれたところがへ音(ファの音)の位置であることを表す。

③ ハ音記号:中心の矢印のところがハ音(ドの音)の位置であることを表す。
